2016/01/20

卓上ボール盤戦記 甲

昨今のアクアリウム業界は各店生き残りを賭けて戦い続けなければ瞬く間に淘汰されてしまう激戦時代、そんな渦中セブンスが生き残るにはどうしてもアルミの部品に5ミリの穴をほぼ垂直に開ける必要があるのです。これができなければセブンスはこの業界から姿を消す事になるかもしれません。
経営者たるもの時には大きな決断を迫られる時があるのです…

「こうなったら仕方がない、卓上ボール盤を導入しよう」

卓上ボール盤…詳しい説明は省くが、私がボール盤フェチである事を知っている人は少ない。5年ほど前、ミンチョ製作のために日々バイク屋へ通っていた頃、スチールのステーに穴を開けるために使わせてもらっていたのがボール盤でした。硬い鉄に簡単に穴を開けられるという便利さもさることながら、その佇まいに私は魅了されてしまったのです。
真っ直ぐと立ち上がる紳士のような風格、尚且つ腰にかけての細いラインがなんともセクシー。稼動方式はモーターの回転をVベルトを介してドリルに伝える仕組みはまるでハーレのプライマリーであり、無骨なイメージの中で何故かレバーの握りは真ん丸で、それはハンドシフトのレバーのようであります。
あらゆる電動工具の中で、ここまでのビジュアルを兼ね備えたものはありません。「俺のバイク小屋にもボール盤を置きたい!」私は夢中になって理想のボール盤を捜しました、そしてついに見つけたのが精工舎製のボール盤だったのであります!
まさにボール盤のキング・オブ・ヴィンテージ!とっくりの様な丸いモーターとフロントカバーのアールコンビネーション。現行モデルのようなベルトカバーは無く、それはまるでチョッパーのオープンプライマリーが如く、男の道具であると主張しているようである。スイッチに彫られたON・OFFの字体も長い歴史の匂いが伝わってくるし、ヴィンテージたる全体のヤレ具合がリプロダクトでは決して真似のできない完璧な仕上がり。
魅力の全てを表せないぐらいの存在感で即決、数日後パレットに載せられ貨物便で届いた鉄の塊は推定重量100kg、宅配ドライバーと親父と俺3人がかりでトラックから降ろし、バイク小屋の最奥部に鎮座させたのでありました(画像は転用させていただいたものです)。
さて、今回のアルミ穴開け作業にここまでのモノは必要なく、仮に店にこんなものがあっても邪魔で仕方がない(一人じゃ動かすこともできないし)できれば机に乗るようなサイズの小型モデルが最適なのである。そんなボール盤はあるのだろうか?

つづく