2013/08/31

拘置所のある熱帯魚屋 10

電気配線がなされたトイレを見て「やるね店長、プロ並だねぇ!」と多くの方々に褒めていただきました。言われて悪い気はしないのですが、さすがに私の良心も限界に達しましたので正直に申します。

「あれはプロの仕事です」

いや、決して騙すつもりはなかったんです!一度はちゃんと自分でやったんです。今回の電気工事に関してはいつもお客さんとして来ていただいている本物の電気工事士(ミニ四駆レーサー)にアドバイスをしてもらっていたのですが、昨日わざわざ仕事の合間に配線を見に来てくれたんです。そこで私の作った親分を確認してもらったのでが、取り回しで怪しい箇所があったのと、やっぱり配線の再利用は止めといた方が良いだろうと。ここからは私の推測ですが、仮にこの親分から火が出たとしても、もちろんそのレーサー様に責任は無いのですが、やはり職人としてコレを見逃して帰るわけにはいかんだろうと。
腰に無数の工具をぶら下げ、ケーブルを肩に担いで戻ってきたレーサー様はまるで地球に帰還したアルマゲドンチームのようにカッコよく、ものの10分ほどで私の組んだ気色悪い配線を取り去り、あのような芸術的なラインを画いたのであります。
ホントにね、セブンスは良いお客さん達に恵まれてますよ。こうやって信頼している人にやってもらうと本当に安心できますからね、金銭的ではなくてそういう事が心からありがたいんです。

そして今日は佐官職人が土間の仕上げをしてくれました。そろそろ「じいちゃん」と呼ばれてもいいような年齢で細身の体格、そして無愛想。「この人は大丈夫なんだろうか?もしやシルバー人材センターの日雇いか!?」とこっそり後ろから作業を除けば…うぉ!まさにコテ1本で今まで飯食ってきたかのようないぶし銀の技。最後に「それじゃ。」と一言だけ挨拶して店を出て行く姿がまたシブい!
…と、思ったら何か忘れ物をしたらしく、ポケットをまさぐりながら戻ってきたけど(笑

それにしてもどうして熱帯魚屋の仕事にはこの手のシブさが醸し出せないんでしょうか?昨日のテレビ番組も観ましたけどイマイチ仕事ぶりに緊張感が無いんですよねぇ。それと一つだけダメ出しさせていただくなら、トトロの森にヒゲゴケは生えてませんよ。