2012/11/11

セブンス有機化計画 11

  「ぼくのおとうさん」

ぼくのおとうさんはセブンスヘヴンズという熱帯魚屋さんをやっています。お店でどんな事をしているの?と聞いたら、原付スクーターをぶった切ったり、腐った窓枠にペンキで色を塗ったりしているそうです。お気に入りの道具はマキタのインパクトドライバーで、それと同じくらいハンドグラインダーを振り回しているそうです。そして今日も突風吹き付ける寒空の屋外で得体の知れない国で使われていた照明をムサシから買ってきたスチールの電線管に取り付けるために、丸いスチールのフタに六角形の穴を開けようとしていました、鉄を切る道具がそのグラインダーしかないのに「丸穴ならホルソーで一発なのに、六角形どないやねん?」と1人で悩んでいましたが、結局はクランプで蓋を固定してグラインダーでそのフタをメッタ切りにしていました。

そんなおとうさんの趣味は古いバイクや車を所有する事で「無理矢理乗り回そうと思う奴等は貧乏性、所有している事実だけで満たされる男のロマン」と訳の分からない事を言っていました。どうして熱帯魚屋さんなのに家には水槽がないの?と聞いたら「あんな物が自分の家にあったら一生癒される事はありません、メンテナンスはお客様の水槽だけで十分で御座います」と熱く語っていました。

話は戻って、そのフタはメッタ切りにされながらもなんとか加工が終わって取り付けまでの下準備ができたそうです。熱帯魚屋さんをやっていて悩んでいる事はないの?と聞いたら「中古で買ったインパクトのバッテリーがヘタレですぐに切れてしまう」という事です、いつも頭の中がお仕事の事で一杯なおとうさんはすごいと思いました。

  おわり