2011/03/31

小さなお宿

水槽の納品で100km離れた街まで行ってきました、半径
100kmあれば熱帯魚屋なんぞ山ほどあるのに、セブンスを
ご指定いただき誠にありがとうございます。
あさ6時に出発して、当然高速は使わず、さきほど夜10時に
帰宅したところです。
老舗の小さな旅館が、前の道路の拡張のために改装を
余儀なくされ、長らく愛されていた海水魚水槽も新調しようと
いう事で半年前の建物設計時の私の何気ない一言…
「廊下とダイニングの両方から観れるように壁に埋めたら…?」
で、設計士や大工を巻き込むオオゴトになってしまい、ようやく
本日その騒ぎに終止符をうってきました。
その旅館の母、お母さん、というよりもオカンという呼び方が
ぴったりの女将さんはめちゃめちゃ元気で、いつもそのペースに
飲まれてしまう。もう70歳になろうかというのに、旦那の猛反対を
押し切って旅館の現役を続行中、それは商売ではなく、
もはや生甲斐であると言い切っていた、日本中のいろんな人と
触れ合う事ができるこの仕事がとても好きなんだそうだ。
その歳でもいろんな事に興味を持ち、吸収する事を怠る事は無く、
熱帯魚の話をする時も「遠慮なく専門用語を使ってほしい」と
いう、いやはや脱帽であります。
9時間かけて新調した水槽をとても喜んでくれて、帰り際に
米粒にまみれた手でおにぎりを渡してくれたオカン、その手料理に
数え切れない旅人が癒されたんだろう、今度は俺が旅人として
暖簾をくぐりに行こうと思う。